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(PSVITA)ダンジョントラベラーズ2 -8 このシリーズの感想

・戦闘バランス
このシリーズで特徴的なのは速度至上主義、運要素が強過ぎる、魔法攻撃が序盤専用、なこと。

速度至上主義に関しては速度=行動回数なシステムを採用しているゲームは多いがその中でも群を抜く、というか速度至上主義になり過ぎないように調整する気がまったく感じられない。とにかくこのゲームにおいてはAGIが最重要ステータスなんだ、ということが簡単に理解できてしまうのでわかりやすくて良いと言えばそうなのだが。この速度至上主義は2になってより酷くなるというか鍛冶によって盾に速度エンチャントを付けれるので盾が持てず両手武器自体も重いファイター系が厳しくなっている。速度差の出ない序盤と速度差を克服した最終盤なら活躍できるのだが戦闘の主役たるファイター系が徐々にお荷物と化して行く中盤からの展開はさみしいものがある。

運要素については1の方は状態異常が効くか効かないか、2の方は戦闘開始時に行動順がランダムにならないか、が頻繁に遭遇する運要素でありリセットタイミング。1の方は状態異常要員を増やせばどうにかできないこともないが、2の方は解決策が無いのに並び次第で相当な戦力差があっても全滅危険性が生まれるというどうしようもない運ゲー。そこはいつでもセーブでカバーなのだがそれだとなんかスパロボみたいでRPGしている緊張感が無いっていうか…。1戦毎に全力で対処が基本なサガシリーズ的な緊張感を持つ大型敵もいるけど毎回エンカウントするわけでもなく大半は普通の雑魚なのに完全な運要素でやられる場合もあるというのは理不尽感が強い。というか違和感の方かな。だって最速行動安定なキャラが運次第で敵全体が3〜4回動いた後に行動し始めるというのはどうも…。更にこの行動順ランダムがボス戦でも発生するのも運ゲーに拍車を掛けていて、いくら準備万端でもリセット必須な展開も稀に遭遇する。

相手が限定されるけど華麗なるステップによる行動キャンセルも対策が無いのでどうかなあ…、な運要素。威嚇射撃と違い対処法が無いのでハマる時はハマってしまう。逆にこちらも華麗なるステップ&威嚇射撃による運ゲーで格上撃破も出来たりもしますが。これに加えサルサのダメージのみをダメージソースにするとステータス差を無視出来なくも無いというのは極めてインチキ臭い行為。けどこれで1の方でダゴンを早期撃破して森の秘宝を手に入れるとすっごく捗るんだよね。なお、心眼と打ち落としに関してはOK。これは対応する攻撃をしている方が悪いんだから。けど両持ちの相手は正直NG。それと、平気で打ち落とされるガイデッドショットは詐欺スキルだと思う。

魔法攻撃は計算式の関係で序盤は敵も味方も凄く痛く、これなら詠唱の必要性も理解できるものなのだが味方のは中盤以降はダメージの伸びも悪く耐性の穴も少なくなってくるのであえて使う意味が無くなってくる。それでも1の方なら協力スキルのサイコウェーブ狙いでウィッチを出すのもありかもしれないが協力スキル全般が弱体化された2の方では…。敵の方も中盤以降は魔法バリアもあるし、なにより詠唱の隙がおいしいので魔法自体がデレ行動だったりする。最終盤ではもっと問題で最速行動状態では詠唱で必ず1ターン取られるので技を使うキャラの半分しか動けなくなる。この仕様はこのシリーズ最大の欠点だと思うのだが何故か2から採用されている。1のPSP版ではAGIを上げることによって無詠唱、ということが出来たらしいのだが2のPSP版で変更され、2の仕様が混ざっている1のvita版でも採用されている。イリュージョン級の強魔法なら詠唱必須でも構わない(というか無詠唱だと強すぎ)が詠唱行動が主力なウィッチとディーバは本体性能も詠唱して放つ魔法も弱いのに何故こんな仕打ちをするのか。

・BGM
1の方は過去記事に書いたのでそちらを。2の方だが戦闘曲は1の問題点だった曲の短さが普通の長さになっていて普通に神曲となっている。特に最初の雑魚戦、神戦第二形態、サタナエル戦のはこのゲームをプレイする気がまったく無くても聴いて欲しいレベルの熱さ。ダンジョン曲やイベント曲も1のRPGじゃない原作からの流用と違ってこれぞ王道RPGと言った感じなので違和感は無い。ただ、その安定しているBGMも図書館最深部まであって異界以降は戦闘BGMは前作の流用のみの3曲、イベントはそれ自体が存在せず、ダンジョンBGMは環境音的な物になるなど一気に劣化する。作るのに力尽きたのならBGMセレクトをつけてくれればいいのに…。

・シナリオとキャラ
1の方は以前書いた通り存在しないので2について書く。普通にいいと思います。非戦闘員の男主人公+戦闘員は女のみ、というフォーマットとしては十分合格点かと。異界に行くと前作同様のシナリオ無し状態になるけど最後のサタナエル戦ではしっかりとエンディングを決めてくれるし、続編への伏線(あの展開、絶対サタナエルがフリードに取り憑いて…、って展開だよね?)も張ってくれていい感じです。

ただ、フリードの性格が外見から予想されるのと違い過ぎるのは最後まで慣れなかった。前作がking of ヘタレ、過ぎたのでその反省であの様な俺様系にしたのだろうがそれならば外見も考慮して欲しかった。あの外見からは温厚常識人な性格しか想像できないよ…。
女キャラの方は郁乃と瑠璃以外は特に嫌いなキャラも無く良かった。問題のこの二人については…、いやー理不尽暴力キャラはキツイっす、としか言えない。

・雑談イベント
1も2も条件が厳し過ぎてノーヒントだと中盤以降は殆ど発生しない。1では裏四天王の情報ぐらいしか是非とも欲しい物は無いので攻略上はそれ程影響しないが2では獣人印章を頂点に超重要な物が含まれているのでノーヒントプレイだと難易度が極端に上がる。

ダンジョン探索
振り出しに戻る系の一方通行が中盤以降大増殖するのでノーヒントプレイであれば頻繁なセーブ&ロードが必須となりテンポが悪い。もっともセーブ&ロードではどうしようもない三十重の塔という超鬼畜ダンジョンもあるので快適にプレイするのであれば速めにプライドを捨ててマップ構造を見ながらプレイした方が無難。

・レベルリセットボーナス
LV61以上でLV1にレベルリセットするとボーナス値が貯まっていく育成システム、正直好きでは無い。プレイしているからには最強キャラを作りたいのにLV92以上ではクラウン化していないと事実上経験値が無駄になるというのは非常にもったいなく感じてしまう。かといって稼ぎ地点に到達したらクラウン化するまで稼ぎ、では時間がかかりすぎてテンポとバランスが崩壊する。開発側の想定したバランスとしてはレベルリセットなんて考えずに素のLV99でラストまで戦い抜け!なんだろうけど無駄に貯まっていく経験値を眺めるのは嫌なものです。なんとか別の育成システムを思いついてくれませんかね?

・総評
1は戦闘バランス(マンドラゴラの四葉を量産可能になると崩壊するがそれまでは良質)に特化した作品。キャラゲーなのにキャラの魅力を引き出す要素が不足しているという致命的な欠点はあるものの戦闘大好き人間ならそれも受け入れられるだろう。元がPCゲーということもあり家ゲーらしくない棘のあるバランスを楽しめるのも好きな人にとっては魅力的。

2は1に家ゲーらしい肉付けを行いゲームとしての完成度を質・量共に大幅に引き上げたが戦闘バランスを犠牲にしてしまった。ただ、余程の戦闘狂でもなければ1の殺風景な戦闘以外の要素よりも総合的に良く感じられると思うのでシリーズとして成長はしていると思う。どちらから1つだけプレイするならどっち?と、聞かれれば迷うことなく2をお勧めする。


ところで続編である2-2の情報が放置されて随分長いですけど本当に出るんですかね?ほぼ開発休止中?らしいけど中止は勘弁願いたい。せっかくの発売日買いしたくなったシリーズなのにこれで打ち切りではせっかくのvitaTVが…。まあ、そのvitaTVに対応しているかが第二の関門なのだが…。どうなるんですかね、今後のvitaTV。対応させるが面倒なのでPS4でも出すことにしました!なら非対応でも大勝利なのだが、そう上手くはいかないかな。